yaotti's diary

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OKR:組織内のコミュニケーション効率化と重要なゴールへの集中を促すシステム

(Qiita:Teamで社内にて共有していた記事を公開)

GoogleZyngaで使われているOKRという仕組みが、「会社として何が大事なのか」「そのためにチームや自分は何に集中すべきか」を明確にするフレームワークとしてよさそうなので調べてまとめてみた。

OKR(Objectives and Key Results)とは

OKRは会社やチーム及び個々のメンバーの目標(Objectives、達成すべき戦略目標)と主要な結果(Key Results、その目標の達成度を示す客観的指標)から成り立つ。

OKRを導入することのメリット

kobito.1420598750.038815.png Objectives and Key Results ( OKR )より

  • 思考が統制される
    • 大きな目標が明らかになる
    • 日々のオペレーションにかかりっきりだと「実際のところ何が重要なのか」は見失いがち
  • メンバーと正しいコミュニケーションをとることができる
    • 各々が何を重視しているのか、全体として何が大事なのかが明文化され、共通認識を作ることができる
  • 自分達がどれだけうまくやれているのかを測る指標を手に入れられる
  • 組織として重要なことに集中できる
    • 目的に向かってチームを協調させられる

OKRの例: YouTubeのサービス改善

  • Objective
    • 1人あたりの動画試聴時間を増やす
  • Key Results
    • 合計試聴時間を毎日X分増やす
    • YouTubeのネイティブアプリを2つの新しいOSでリリースする
    • 動画のロード時間をX%短縮する

良いOKRとは

以下、How Google WorksからOKRの特徴を引用する。いずれも実践するときに欠かせないポイント。

優れたOKRの一つ目の特徴は、大局的視点に経った目標を、測定可能性の高い意味のある結果と組み合わせることだ。つかみどころのない戦略目標(「使い勝手を良くする」「チームの式を高める」「締まった身体をつくる」など)を掲げ、四半期末に「達成!」と宣言するのは簡単だ。しかし、戦略目標の達成度を具体的目標(「各機能の利用件数をX%増やす」「従業員の満足度スコアをY%高める」「ハーフマラソンを二時間以内で走る」など)で測るようにすると、俄然面白くなる。

第二の特徴は、「発想を大きく」の精神と密接なかかわりがある。優れたOKRは達成に相当な努力を要するもので、すべてのOKRについて達成度100%というのは現実的にあり得ない。OKRが全て青信号というのは、目標を十分高く設定していないことの表れだ。模範的なOKRは野心的であると同時に現実的だ。この独特な考え方の下では、うまく寝られたOKRで達成度70%というほうが、質の低いOKRで達成度100%より好ましい。

第三の特徴は、ほぼ全員がOKRを実践することだ。重要なのは、どんな仕事に就いているかにかかわらず、社内の全員がモノを考えることだ。

第四の特徴は、OKRにはスコアがつくが、スコアそのものが別の目的に使われることはなく、記録にさえ残らない。だから社員が正直に自分のパフォーマンスを評価するようになる。

第五の特徴として、OKRは業務全体を網羅するものではない。対象となるのは特別力を入れるべき分野や、特別な努力をしなければ達成できないような目標だ。通常業務の範囲でできることにはOKRは必要ない。

読み物:とあるスタートアップでのOKRの工夫

OKRs and Projects: How We Set Goals at Upstart | Upstart Blog

あるスタートアップでOKRを採用しようとしたが、多くのメンバーから下のような意見が出た。

  • 四半期目標はペースの早いスタートアップにとって遠すぎる
  • 「70%達成できればよい」というスタンスだと、宣言した目標に対して結果責任を負わないことになるのではないな

そこで四半期のOKRに加えて、Key Resultsを達成するための活動をプロジェクトとして切り出した。プロジェクトは1ヶ月はかかるような粒度で、終了を定義する成果が明確に定義されている。この方法で複数四半期にわたりうまく運営できているとのこと。

メモ

OKRの設定は個人に限らず、チームや会社にもあるべき。またうまく運用できるようになるには1-2四半期かかると考えておいたほうがよい^1

参考記事